庭師集団いろは組只今参上!
いろは組について
井伊直弼公の時代、足軽身分の武士が居住していた善利組足軽屋敷が現存している『辻番所』。その辻番所はこのほど彦根市が所有することとなり、今夏から建物の解体調査に入ります。しかし、庭園部分の調査にはなお時間がかかることとなります。そこで、庭園も立派な文化財であることを多くの方に知ってもらいたい。そして、庭園をもっと身近に感じてもらいたいとの思いから、私達、若輩の庭師ですが、辻番所庭園の通年管理を通じて、庭のあれこれを、知ってもらえる活動を行うこととしました。
そのための活動場所を善利組足軽屋敷 辻番所といたしました。
今後、150年祭のHPを通じて庭園のこと、いろは組のことをご紹介していきたいと思います。
庭園整備や管理計画を立てるときのポイントは、管理年代を何時に設定するかです。つまり、何時の時代の庭園の姿にするかということです。
今回、辻番所庭園については、彦根市文化財課とも協議を行い、江戸後期の足軽屋敷が現在の形に固まったと考えられる時期としました。また、そのときの様子を今にとどめる上田道三画伯の足軽屋敷画を参考とすることとしました。今夏からの建物調査の結果も場合によっては参考となるかも知れませんので注意深く見守りたいと思います(建物の中から見える庭園の樹高の推定など)。
参考とする上田道三氏の画
まず辻番所の現状です。
一昨年に彦根景観フォーラムからの依頼を受け、市内の環境調査員 渡辺樹医さんたちが、庭園のアカマツの剪定をしていただきました。でも、今年以降の剪定予定はありませんでした。自然の樹木ではなく、庭園の樹木は、人が生活の中で四季を感じ、自然を感じられるよう意図して作庭したものである以上、毎年手入れをしなければ樹形が乱れることは必然です。
昨年実施の剪定は、それ以前まったく手入れをしていなかったアカマツの剪定を行ったものなので、樹木に与えるダメージが分かりかねるものがあります。そこで、今年の剪定は、樹勢の具合を見定めながらのものとするため、弱めの樹形を整えることを主眼とする剪定とします。
現状の辻番所庭園です。8月末までに剪定を実施しますので、剪定後を報告したいと思います。
一圓庭園講演会を開催しました!
平成21年11月15日(日)10:00~11:30、多賀町一円の通称「一圓屋敷」の庭園(いろは組では「一圓庭園と呼んでいます。」)で庭園講演会を開催しました。
講師は、お浜御殿で講師をお願いしました仲隆裕氏(京都造形芸術大学芸術学部環境デザイン学科ランドスケープデザインコース教授)にお願いをしました。
当日は、25名の参加者があり、一圓屋敷の部屋満席状態で大好評のうちに終えることが出来ました。参加いただきました皆様に感謝いたします。
さて、この一圓庭園とは、所有者のNPO法人彦根景観フォーラムと文化財保護つながりでコラボっています。庭園の文化財的評価の向上の観点から、『辻番所』同様、庭園を文化財建物と同じに評価してもらえるよう働きかけていく活動の一環として取り組むこととしています。
庭園では、整備方針・管理計画を決め、計画に沿った手入れを年次的、計画的に行い、安定した庭園美を演出できる状態に維持することが大切です。
そのための準備として、まず、庭園調査を行い、現況図を作成します。それをもとに、整備方針・管理計画を作成します。
今回の講演会では、作成中の現況図をもとに、作庭意思を汲み取りながら庭園の見方などを中心に講演会をしていただきました。
庭園調査の様子です。(平成21年11月1日実施)
講演会の様子をお知らせします。(平成21年11月15日開催)
次回は、年末に『門松づくり』が開催できたらいいなぁと思っています。詳細は後日お知らせします。
井伊家松原下屋敷(お浜御殿)庭園講演会 を開催しました!
平成21年10月10日(土)の10:00~11:30に、彦根市松原町515番地にあります井伊家松原下屋敷(お浜御殿)で庭園講演会を開催しました。
講師は、仲隆裕氏(京都造形芸術大学芸術学部環境デザイン学科ランドスケープデザインコース教授)にお願いをしました。
当日は、37名の参加者があり、途中少し雨が降りましたが、すぐに止み、大好評のうちに講演会を終えることが出来ました。
お浜御殿の明治の古写真を見ながら解説をしていただきました。お浜御殿には無数の松が植えられており別名『千松館』と呼ばれていました。
講師とともに参加者は、お浜庭園の全周囲を歩き、実際の庭園を鑑賞しながらの庭園講演会をいたしました。 明治期推定部分復元図に示されていなかった市道拡幅時の様子については、参加されていた地元の方の説明で、当時(明治期)の様子が把握でき、非常に興味深い講演会とすることができたと実感しています。
最後の質疑応答では、庭園の主石、主木は何かとの質問や作庭意思への質問など、意識の高い質問もあり、講師の話にも力が入っていました。
剪定講習会を実施
8月31日、善利組足軽屋敷の庭園を持つ方等にお声掛けをさせていただき、剪定講習会場をご提供していただいた村田様の足軽庭園で「剪定講習会」を開催しました。
剪定講習樹木は、赤松・槇・サツキ・モッコクでした。会場提供者の方には、参加者への休憩時の飲み物の準備をお願いしました。ただし、剪定料は市民団体活動推進助成金等を活用させていただきました。参加者の方には、実際に剪定で出た枝で剪定体験をしてもらいました。
辻番所で赤松の剪定を実施
8月26日、辻番所で赤松の剪定を実施しました。
お近くの方や興味をお持ちの方、これから興味を持って貰える方は、辻番所においでくださり、剪定後の赤松をご覧ください。
いろは組 活動主旨
日本の庭園は自然風景式と呼ばれるように、いつの時代にも自然への深い想いを持ってつくられています。家の中にあり庭園樹木の四季おりおりの変化で、季節を感じていました。 ところが、昔ながらの木造家屋が敬遠され、次々と伝統的建築物が解体されると、運命共同体である「庭園」もなくなっていきました。
庭園がなくなる理由のひとつには、庭園は通年管理が必要で、特に夏季から秋季にかけては、樹木の剪定をしなければなりません。しかし、4m超高の樹木剪定は困難で管理費用の高価格化が指摘されています。
近年、伝統的建造物の価値が見直されるようになってきましたが、建造物と一体を成している庭園は、まだまだその文化財的価値が評価されていないのが現状ではないでしょうか。
そこで、彦根藩のまちづくりを今に残す「足軽屋敷」が現存する「善利組足軽屋敷」を代表する辻番所の庭園にスポットをあて、わたしたち若き庭師でつくる「いろは組」が、辻番所庭園での庭師の活動を通じて日本庭園のすばらしさの紹介、適正な庭管理の実施を通じて、足軽屋敷庭園の保存・活用に協力していく活動を始めます。
いろは組の活動は、文化財庭園の適正管理へのとりくみだけではなく、もう一つの活動があります。それは、自分庭園の再発見を行うことへの取り組みです。
庭園は文化財庭園だけでなく、個人宅の庭もまたすばらしい庭園なのです。
自分庭園は、先祖から脈々と続く歴史があったり、自分好みの空間であったりします。これを機に、普段気づかずに何気なく存在している自宅庭園をもう一度、見直し、愛着を持っていただく活動を行いたいと思っています。
自分庭園の見直し事業として、足軽屋敷地域での個人宅庭園を会場とした剪定講習会の開催を行いたいと思います。開催期日等は150年祭HPでお知らせしますので、興味のある方はどしどしご参加ください。















